kumalog

Kumaによる雑記ブログ。その時々感じていることを、将来の自分に向けた備忘録的な位置づけで残しておくための場所。

クリティカル・シンキング

1社目の先輩とのリモート飲みで、「この先輩やっぱ頭いいよなー、自分とは違うわ」と改めて感じさせられた。
 
一緒に働いてた時からずっと感じているが、改めて、そこには縮まっていないどころか開いてるようにすら感じる差があると思った。
 
どの会話でそう感じたか、という超具体的な内容は覚えてない。
 
話をしながら「この人、話の構造化とか論点整理がパッとできるんだろうな」という印象を受けた。
 
話してるこちらにも彼の話の構造が見えてくるような感覚。
だけど、見えてる部分は一部分でそれ以外の部分が見えないので真似はできないという感覚。
 
「なんでこんないきなり網掛けるみたいに、全体観とその中の項目整理がパッとできるんだろう」と、一緒に働いていた時の感覚を思い出した。
 
自分の考え方は思いつきに頼った「もぐらたたき」。
一方で、先輩の考え方は構成要素や論点が整理された「投網漁」。
 
あれから10年以上経ったが、まだまだ追いつけていないな、と改めて感じた。
 
そこで単刀直入に「どうしたら先輩みたいに頭良くなりますか?」と聞いてみた。
 
すると、クリティカル・シンキングを常日頃から使って筋トレすると良いかもね」との答えが。
「クリシンは筋トレと一緒で、トレーニング次第だし、論点整理とか自分壁打ちに役立つよ」と。
 
そのアドバイスを受けて、新入社員に近い頃に読んだ、
 
グロービスの「クリティカル・シンキング」を読み直すところから始めることにした。
 

クリティカル・シンキングとロジカル・シンキング

読み終えて感じたこととしては、クリティカル・シンキングとロジカル・シンキングの違いって結局なんだろう?」ということ。
つまりはクリティカル・シンキングって結局なんだっけ?」ということかもしれない。
 
目次(以下に記載)を見ると第1章〜補足まで、内容的にはほぼロジカル・シンキングの本と言われても違和感が無い。
 
Wikipedia的定義によると
ロジカル・シンキング=一貫していて筋が通っている考え方、あるいは説明の仕方のこと
 
クリティカル・シンキングあらゆる物事の問題を特定して、適切に分析することによって最適解に辿り着くための思考方法
 
イマイチピンとこない。。
 

クリティカル・シンキング」=論理的思考方法(ロジカル・シンキング)+姿勢・心構え

 
そこで改めて、本書の中での「クリティカル・シンキング」の説明を確認すると以下の通りだ。
 
「Critical(クリティカル)」という言葉の本来の意味は「懐疑的な」「批判的な」ということであり、したがってクリティカル・シンキングをそのまま訳すと「批判的な思考」となる。
 
本書における「クリティカル・シンキング」は、論理的思考の方法論(テクニックやフレームワーク等)と正しく思考するための姿勢(心構え)を組み合わせることにより、ビジネスにおいて「物事を正しい方法で正しいレベルまで考える」ことを実現しようとしている。
 
つまり、
 
クリティカル・シンキング」=論理的思考方法(ロジカル・シンキング)+姿勢・心構え
 
私がロジカル・シンキングとクリティカル・シンキングの違いが理解できなかったのは、
 
クリティカル・シンキング」=思考の方法論
 
だと思いこんでいたからだと理解した。
 
 
その観点から目次を見直し、以下のような構成として認識した上で読むとすんなり理解できた。
 
クリティカル・シンキングの姿勢・心構え:序章
ロジカル・シンキングの思考方法:それ以外
 
序章に記載のある、クリティカル・シンキングの基本姿勢を常に意識した上で、ロジカルに物事を整理し、アウトプットする」ということがクリティカル・シンキングを実践する、ということ。
 
尚、3つの基本姿勢は以下の通り。
・目的は何かを常に意識する
・自他に思考のクセがあることを前提に考える
・問い続ける
 

目的と自他の思考のクセ

この本を読み直して、こちらが話が通じないとか、同じ言葉で話しているのに理解がずれると感じる人は、やはり「そもそもの目的(ゴール)や思考法や思考の癖に違いがある」からだと感じた。
当たり前だけど。。
 
言葉の定義や思考の前提をすり合わせないと同じことを話していても話の方向性や結論がずれていく。
お互い、その場で同じ言葉で結論が出たと思っていても、それは思い込みであり、双方の描いている絵は違ってしまっていることは往々にしてある。
 
冒頭の先輩の話に戻ると、彼の「頭の良さ」は恐らくこういうことな気がする。
 
・会話の目的や前提を揃えて話している
・思考の癖もあると思うが、それを自己認識した上で、ちゃんと自分なりに考え、結論が出せる
・相手の思考の癖や前提を考慮した上でアウトプットできる
・自分の結論が違う、足りない点があると思えばきちんと修正してまたアウトプットできる
 
相手の思考や前提を把握してアウトプットできるぐらいになれば良いが、その道程はまだ遠そうだ。
少しでもそれができるように日々トレーニングしたい。
 
このブログもその一環として継続していかないと。。。

本書の概要

2005年11月に上梓された「新版 MBAクリティカル・シンキング」をベースに加筆修正された改訂3版。
新版と旧版をあわせて26刷を重ね、およそ20万人に読まれたベストセラー。
 
クリティカル・シンキングの本、というとこれを思い浮かべる人も多いと思う。
私自身も恐らく初版に近い頃のverを読み、そのままになっていたが、先輩からクリティカル・シンキング、と言われた時に真っ先に思いついたのがこの本だった。
 
目次
序章:クリティカル・シンキングの要素と考える基本姿勢
第1部:思考をまとめ、メッセージをつくる
 第1章:大きな論理の構造をつくる
  Ⅰ:大きな論理の構造
  Ⅱ:何を考えるべきか:イシューと枠組み
  Ⅲ:論理的に考えるための道具:ピラミッド・ストラクチャー
  Ⅳ:演習問題
 第2章:論理展開
  Ⅰ:演繹的思考・帰納的思考
  Ⅱ:論理展開のチェックポイント
  Ⅲ:演習問題
第2部:状況を分析する
 第3章:現状を把握する
  Ⅰ:現状を把握するとは何か
  Ⅱ:現状を把握する際の基本動作
  Ⅲ:演習問題
 第4章:因果関係
  Ⅰ:因果関係の把握
  Ⅱ:因果関係を正しく紐解くためのポイント
  Ⅲ:演習問題
補論:仮説と検証
第3部:ケーススタディ(総合演習)
 
各章と最後に演習があるのでこの演習にきちんと取り組んだ上で、現実の事象として近しいものに出会った時に、クリティカル・シンキングを意識しながら考え、整理することを継続していきたい。