床屋で話したLTVを最大化するためのポイント
話の流れは忘れたが、床屋と営業とかマーケティングの話になった。
ちなみに、その床屋はオーナー1人で営業していて、席も1つしか無い。
にも関わらず、月商で100万円を超える月もある、割とすごい床屋だ。
もちろん、予約も取りづらい。
どうやら顧客は約250名(!)もいるらしい。。
そんな床屋が理容の専門誌のインタビューに答えたらしい。
テーマは「リピートをいかに掴むか」的な話だったとのこと。
床屋はBtoCだが商圏もある程度限られているので、BtoBの営業と同様、新規顧客をどんどん取りに行くというよりは、いかにリピーターになってもらい、足を運んでもらうかが重要となる。
つまり、顧客のLTVを最大化することこそが売上最大化に繋がる。
「リピートをいかに掴むか」という点で重要だと言っていた3つのポイントはこちら。
提供価値
「髪をデザインする」のが提供価値であり、「言われた通りに髪の長さを切る」のではない。
言い換えると、言われたことだけをやるのではなく、顧客の課題やKSFを把握した上で提案も含めたソリューションを提供する、ということ。
「デザイン」だけでなく、例えばカット後しばらくしてからのスタイリングのしやすさ等も感じてもらえることを意識する。
少し伸びてきたタイミングで、「あれ?今までと違って気になるクセが抑えられてるな」と感じてもらえれば「また行こうかな」という気になってもらえる。
カウンセリング
そのために、必要なのがカウンセリング(=コンサルティング)。
初回〜2回目の何気ない会話の中に、これは絶対に確認しておくというヒアリング項目を入れておく。
その中で客の課題と気にしている点、解決してあげるべき点を把握する。
例えば、カット後しばらくして髪が伸びてくると朝セットしても昼過ぎには崩れてしまう、等。
更に言えば、初回のカットの際にその人の髪のクセを把握し、指摘し対策までアドバイスしてあげる。
そうすると、言われた側は「なんでそんなことまでわかるの?」と、占いに行った時のような印象を受ける。
そこで信頼を獲得する。
これはある程度経験のある床屋であればわかることらしいのだが、敢えてそれを客に話したりアドバイスする人はほとんどいないらしい。
アナログ対応
まず、初回カット後には手書きでお礼の手紙を送る。
そして、予約は予約システムは使わず、メッセンジャーかライン、電話での予約を徹底している。
予約システム導入の声は多いが、「簡単に予約ができる=簡単に変更・キャンセルが入る」ことにつながる。
これは個人店としては致命的だ。
さらに、敢えて予約をアナログ対応にすることで、客に応じた時間枠を確保できるという。
例えば、髪の量が少ない人や顔剃り不要な人は気持ち短めの時間設定、逆に髪の量が多かったり、硬い人は少し長めに取る。
柔軟に時間枠を変えることで、1日の枠数を最大化し、同時に次の人も予約時間通りにカットが始められるようになる。
デジタルが進む時代だからこそのアナログの使い方だし、要点を押さえた運用をしていると感心した。
このように、ソリューションを提供しながら、かつコミュニケーションツールについてもアナログの温かみやデジタルに対して優位な点をうまく活用している。
それによりリピート顧客をつかみ、長期的取引関係を構築することでLTVを最大化している。
参考になった点
自分が取り組もうとしてる、BtoBの営業・マーケティングと共通する部分がかなりある。
特に、提供価値を意識したカウンセリングを行いながら、ソリューションを提案していくという営業活動に繋げていくところ。
現場のレベルには差があり、そこまでちゃんとヒアリング、カウンセリングをできる人もそう多くはない。
床屋業界でも同じらしく、セミナー等を実施したところでできるようになる人がすぐに増えるわけでもないらしい。
この話も参考にしながら、営業の質のボトムアップに繋げる取組みにしていきたい。